cosmetic研究日次分析
美容・オンコプラスティック領域では、男性乳房症に対する内視鏡下脂肪溶解/脂肪吸引が、従来の開放切除に比べて合併症と疼痛を低減し、1年再発率は同等で満足度は高いことが無作為化研究で示された。胸壁穿通枝皮弁は乳房温存手術において安全で審美的にも良好な再建をもたらし、植物抽出物配合ファンデーションは28日間で皮膚バリア指標を改善し有害事象は報告されなかった。
概要
美容・オンコプラスティック領域では、男性乳房症に対する内視鏡下脂肪溶解/脂肪吸引が、従来の開放切除に比べて合併症と疼痛を低減し、1年再発率は同等で満足度は高いことが無作為化研究で示された。胸壁穿通枝皮弁は乳房温存手術において安全で審美的にも良好な再建をもたらし、植物抽出物配合ファンデーションは28日間で皮膚バリア指標を改善し有害事象は報告されなかった。
研究テーマ
- 低侵襲審美的乳房手術
- オンコプラスティック乳房温存再建
- スキンケア・メイクのハイブリッドと皮膚バリア機能
選定論文
1. 男性乳房症治療における内視鏡下脂肪溶解・脂肪吸引と従来の開放切除の短期・長期成績の比較研究
男性乳房症140例の無作為比較で、内視鏡下脂肪溶解/脂肪吸引は開放切除に比べ、切開短縮、出血減少、手術・入院期間短縮、合併症低下、術後1・3週の疼痛低下を示し、1年再発率は同等であった。審美評価と総合満足度は低侵襲群で有意に高かった。
重要性: 一般的な審美目的疾患における術式選択を直接的に指針づけ、周術期・患者報告アウトカムの優位性を示しつつ1年有効性を損なわないことを示した無作為化試験であるため。
臨床的意義: 適切な症例では内視鏡下脂肪溶解/脂肪吸引を第一選択として検討でき、回復促進と審美的満足度の向上を重視しつつ、1年再発が同等であることを考慮すべきである。
主要な発見
- 内視鏡群は切開長・手術時間・入院期間が短く、術中出血量も少なかった(すべてP<0.05)。
- 術後合併症は内視鏡群で有意に低かった(P<0.05)。
- 術後1週・3週の疼痛(VAS)は内視鏡群で低かった(P<0.05)。
- 1年再発率は群間差がなかった(P>0.05)。
- 胸部外観、瘢痕、乳頭・乳輪の審美評価および総合満足度は内視鏡群で高かった(P<0.05)。
方法論的強み
- 無作為割付による並行群比較
- 合併症、疼痛(VAS)、再発、満足度を含む包括的アウトカムを1年間追跡
限界
- 単施設研究であり、盲検化や割付隠蔽の詳細が不明
- 再発の追跡は1年に限られ、長期の形態・輪郭評価が未検討
今後の研究への示唆: コスト効果、患者報告アウトカム、男性乳房症の重症度別サブグループ解析を含む多施設・長期の無作為化試験が望まれる。
2. オンコプラスティック乳房温存手術における胸壁穿通枝皮弁の応用
胸壁穿通枝皮弁を用いた乳房温存手術22例の後ろ向き検討で、全例皮弁生着、陰性断端を確保し、感染1例のみ(保存的治療で改善)。患者・医師の満足度は高く、BCCT.coreにより客観的な審美性も良好で、追跡中央値14.5カ月で再発1例、死亡なしであった。
重要性: CWPFの詳細な術式成績と客観的審美評価を提示し、穿通枝皮弁による部分再建の普及を後押しする。
臨床的意義: CWPFは小〜中等量の非下垂乳房における部分再建の有力選択肢であり、低侵襲で満足度が高い。腫瘍位置と血管解剖に応じてLICAP/LTAP/AICAPを選択できる。
主要な発見
- 22例全例で陰性断端を達成し皮弁は全例生着、感染1例は保存的治療で改善した。
- 審美性は患者85.6%、医師89.0%が優良と評価し、BCCT.coreによる客観的評価でも対称性と輪郭が良好であった。
- 追跡中央値14.5カ月で再発1例、死亡なし。
- 皮弁サイズは10–18 cm×4–10 cm、平均手術時間100.5±10.2分で、灌流向上のため複数穿通枝を併用した症例もあった。
方法論的強み
- 患者・術者評価に加えてBCCT.coreによる客観的審美評価を実施
- 詳細な術式と穿通枝選択、断端陰性の完全な報告
限界
- 比較群のない小規模単施設の後ろ向き症例集積
- 追跡期間が短〜中期であり、長期の腫瘍学的アウトカム評価には力不足
今後の研究への示唆: 他のオンコプラスティック技法との前向き比較試験、長期追跡、標準化されたPROの導入が望まれる。
3. 植物抽出物を配合した市販ファンデーションの皮膚日常使用における利点
in vitroでは0.5%植物抽出物が非細胞毒性で、HaCaT細胞においてMMP-1低下とCOL1A1、COL3A1、ELN、AQP3の発現上昇を示した。0.5%配合ファンデーションの28日使用でTEWL、水分、しわ、弾力、皮脂が改善し、有害事象は報告されなかった。
重要性: メカニズム指向の細胞試験とヒト使用試験を統合し、機能性化粧品(スキンケア・メイク)の有効性と安全性主張を裏付ける。
臨床的意義: 0.5%植物抽出物配合のスキンケア・メイク製剤がバリア関連指標を高めうることを示唆する。定常的な効能表示には対照群を備えた臨床試験が必要である。
主要な発見
- 0.5%植物抽出物はHaCaT細胞で非細胞毒性であり、ROS関連MMP-1を低下させ、COL1A1、COL3A1、ELN、AQP3を上方制御した。
- 0.5%配合ファンデーションは28日使用でTEWL、水分、しわ、弾力、皮脂を改善した。
- 28日間のヒト使用試験で有害事象は報告されなかった。
方法論的強み
- in vitroメカニズム試験と前向きヒト使用評価を橋渡し
- 化粧品アウトカムの生物学的妥当性を支える遺伝子発現解析
限界
- ヒト試験のサンプルサイズが記載されておらず、無作為化対照群がない
- 28日という短期追跡で持続性が不明、製品特異性により汎用性が制限される可能性
今後の研究への示唆: 盲検化無作為化プラセボ対照試験を多様な集団で長期追跡し、用量反応やin vivo機序バイオマーカーを明確化する。