メインコンテンツへスキップ

cosmetic研究日次分析

3件の論文

三群ランダム化比較試験により、5%水酸化カリウム溶液は、日光角化症に対して3%ジクロフェナクゲルおよびプラセボよりも完全消失率が高く、発現が速いことが示されました。メタアナリシスでは、経口前庭アプローチ(TOETVA)は乳輪アプローチ(ETAA)に比べ、整容満足度と中央リンパ節郭清数が優れる一方、手術時間は長いが安全性は同等であることが示されました。中国人被験者を対象とした無作為化盲検試験では、架橋ヒアルロン酸+マンニトールフィラーが鼻唇溝治療でRestylaneに対して非劣性かつ持続的な有効性を示しました。

概要

三群ランダム化比較試験により、5%水酸化カリウム溶液は、日光角化症に対して3%ジクロフェナクゲルおよびプラセボよりも完全消失率が高く、発現が速いことが示されました。メタアナリシスでは、経口前庭アプローチ(TOETVA)は乳輪アプローチ(ETAA)に比べ、整容満足度と中央リンパ節郭清数が優れる一方、手術時間は長いが安全性は同等であることが示されました。中国人被験者を対象とした無作為化盲検試験では、架橋ヒアルロン酸+マンニトールフィラーが鼻唇溝治療でRestylaneに対して非劣性かつ持続的な有効性を示しました。

研究テーマ

  • 日光角化症に対する病変指向型治療
  • 瘢痕を残さない内視鏡下甲状腺手術の成績と整容性
  • ヒアルロン酸フィラーの有効性・安全性の比較

選定論文

1. 日光角化症の治療における5%水酸化カリウム溶液と3%ジクロフェナクの比較:三群ランダム化比較試験の結果

81Level Iランダム化比較試験Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology : JEADV · 2025PMID: 40996107

三群RCT(n=631)で、5%KOH溶液は3%ジクロフェナクおよびプラセボよりも患者単位の完全消失率が高く、発現も速く、忍容性は同等でした。病変単位の消失率もKOHが優れており、有害事象は主に軽度の局所反応でした。

重要性: 本研究は登録済みの大規模RCTであり、初期の日光角化症に対し、一般的治療より優れる簡便な病変指向型外用療法の有効性を高いエビデンスで示します。

臨床的意義: KOH 5%溶液は、軽〜中等症のAK(日光角化症)に対する一次医療での病変指向型治療の選択肢となり得、ジクロフェナクと同等の忍容性でより速い効果発現が期待できます。

主要な発見

  • 患者単位の治療成功(完全消失)はKOHで45.2%、ジクロフェナクで23.8%、プラセボで22.9%でした。
  • 病変単位の完全寛解率はKOH(65.0%)がジクロフェナク(45.9%)、プラセボ(39.9%)より高値でした。
  • 発現が速く、1か月時点の完全消失はKOH16.0%対ジクロフェナク9.2%で、安全性は主に軽度の局所反応で忍容性は同等でした。

方法論的強み

  • KOH/プラセボは二重盲検、ジクロフェナクは評価者盲検の三群ランダム化設計
  • 大規模サンプル(n=631)と臨床的に重要な評価項目を有する登録試験(NCT04552327)

限界

  • ジクロフェナク群は完全な二重盲検ではなく評価者盲検であった
  • 対象は軽〜中等症AKに限定され、6か月以降の長期成績は十分に示されていない

今後の研究への示唆: 他のフィールドセラピーとの直接比較、費用対効果評価、12か月以降の持続性の検証が求められます。

2. 甲状腺癌治療における経口前庭アプローチ(TOETVA)と乳輪切開アプローチ(ETAA)による内視鏡下甲状腺切除の成績:メタアナリシス

71Level IIメタアナリシスFrontiers in oncology · 2025PMID: 40994965

15研究(n=1,961)の解析で、TOETVAはETAAより整容満足度と中央リンパ節郭清数が高く、術中出血はやや少ないが手術時間は長いことが示されました。合併症、反回神経麻痺、低カルシウム血症、在院日数は同等で、瘢痕を残さない安全な選択肢として支持されます。

重要性: 整容性を重視する患者に対し、中央リンパ節郭清数など腫瘍学的指標を損なうことなく術式選択を支援する包括的エビデンスです。

臨床的意義: 瘢痕を避けたい甲状腺癌患者にはTOETVA(経口前庭アプローチ)を選択肢として提示でき、手術時間延長の可能性とETAAと同等の安全性について説明することが重要です。

主要な発見

  • TOETVAは整容満足度が高い(WMD 0.93;95%CI 0.42–1.43;p=0.0004)。
  • 中央リンパ節郭清数はTOETVAで多い(WMD 1.4;95%CI 0.3–2.3;p=0.02)。
  • 手術時間はTOETVAで長い(WMD +17分;95%CI 8–26;p=0.0002)が、合併症、反回神経障害、低カルシウム血症、在院日数は同等。

方法論的強み

  • 複数データベースの網羅的検索とPROSPERO登録
  • 手術、腫瘍学的、安全性、患者報告整容アウトカムの広範な評価

限界

  • 非無作為化研究が主体で選択バイアスや異質性の影響がある
  • 整容満足度の評価法や追跡期間が研究間で不均一

今後の研究への示唆: TOETVAとETAAを比較する前向きRCTで、整容・機能評価の標準化と長期腫瘍学的追跡を行う研究が求められます。

3. 中国人被験者における鼻唇溝矯正のための架橋ヒアルロン酸+マンニトールフィラーの有効性と安全性:無作為化・盲検・対照試験

63.5Level Iランダム化比較試験Aesthetic surgery journal · 2025PMID: 40997110

12か月の無作為化・被験者および評価者盲検の非劣性試験(約390例)で、STYLAGE Lは鼻唇溝治療においてRestylaneに対し非劣性を達成し、6・9・12か月でWSRSレスポンダー率が有意に高値でした。GAIS、満足度、忍容性はいずれの群でも高水準でした。

重要性: アジア人集団における12か月の持続性と安全性に関する質の高い比較データを提供し、フィラー選択の意思決定に資する点で重要です。

臨床的意義: 中国人/アジア人患者の鼻唇溝矯正において、STYLAGE Lは非劣性かつ持続性が示唆される選択肢であり、注入技術に影響し得るレオロジー特性を考慮して使用できます。

主要な発見

  • Restylaneに対する非劣性を達成(レスポンダー差9.33%、95%CI 2.10%–16.56%)。
  • STYLAGE Lは6か月(差9.19%、p=0.0157)、9か月(19.75%、p<0.0001)、12か月(11.36%、p=0.0116)でWSRSレスポンダー率が高値。
  • 両群でGAISレスポンダー率が高く(>73%)、忍容性は良好。デバイス性能は試験品で「硬め」の特性を示唆。

方法論的強み

  • 無作為化・被験者および評価者盲検・多施設の非劣性設計
  • 12か月追跡と複数の妥当化された審美評価(WSRS、GAIS、満足度)

限界

  • 比較は単一の能動対照と1つの適応(鼻唇溝)に限定
  • 中国人以外や他部位への外的妥当性は未確立

今後の研究への示唆: 顔面各部位や多様な患者表現型での直接比較試験、レオロジー特性の標準化評価、費用対効果解析が望まれます。