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安全性評価における化学物質のグルーピング:サリチル酸エステルの毒性動態特性の重要性

Archives of toxicology2025-01-05PubMed
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8

概要

41種のサリチル酸エステルについて、皮膚吸収・代謝のin vitro試験とin silico予測を統合し、サリチル酸への予測全身曝露に基づいて化学物質をグループ化した。構造が類似しても鎖長・分岐や脂溶性により毒性動態は大きく異なり、規制上のグルーピングにADME統合が不可欠であることを示した。

主要発見

  • 41種のサリチル酸エステルの皮膚吸収・代謝のin vitroデータを収集し、in silicoモデルと統合した。
  • 脂溶性(LogP 0.21–10.88)とアルコール部位の構造が皮膚吸収やエステラーゼ加水分解の差異を大きく規定した。
  • 主要代謝物サリチル酸への予測全身曝露に基づきグルーピングし、構造類似にもかかわらず毒性動態が不均一であることを示した。
  • ADMEの導入が規制上の化学物質グルーピングの妥当性を高めることを強調した。

臨床的意義

体内曝露に基づくグルーピングにより、化粧品に用いられる外用サリチル酸エステルのリスク評価が精緻化され、過剰または過小な規制を避けてより安全な原料選択を促進できる。

なぜ重要か

ECHAが推奨する毒性動態に基づくグルーピングをデータ主導で具体化し、REACH下での化粧品用サリチル酸エステルの安全性評価に直接資する。

限界

  • ヒトin vivo動態による検証がない
  • 実際の消費者曝露シナリオや外用条件の定量が明示されていない

今後の方向性

ヒト関連の動態データで予測を検証し、他の化粧品用エステル群へ枠組みを拡張するとともに、TK情報に基づくグルーピングの標準化に向けてオープンデータセットを構築する。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
予防
エビデンスレベル
V - 臨床転帰を伴わない前臨床のin vitro/in silico毒性動態解析。
研究デザイン
OTHER