末梢挿入型中心静脈カテーテル材料の比較試験
総合: 75.0革新性: 6インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 6
概要
多施設ランダム化優越性試験(n=1098)で、撥水性およびクロルヘキシジン含浸PICCは8週間のデバイス不全を標準ポリウレタンと比べて低減しなかった。クロルヘキシジン群は全合併症が多く、抗菌含浸素材の優位性仮説に疑義を呈した。
主要発見
- 撥水性PICC(5.9%)と標準ポリウレタン(6.1%)のデバイス不全に有意差なし(リスク差−0.2%、P=0.89)。
- クロルヘキシジン含浸PICCはデバイス不全が非有意に高く(9.9%)、全合併症は標準より有意に多かった(OR 2.35、95%CI 1.68–3.29)。
- 成人・小児を含むn=1098、8週間追跡、介入に起因する有害事象なし。試験登録済(ACTRN12619000022167)。
臨床的意義
標準ポリウレタン製PICCが第一選択として妥当。高価な素材よりも挿入技術、ケアバンドル、サーベイランスに注力し、クロルヘキシジン含浸PICCの常用は再考すべきである。
なぜ重要か
入院医療全般でのPICC材料選択を導く高水準エビデンスであり、調達・予防バンドルに即時の影響を与える。否定的結果により低付加価値の採用を抑制できる。
限界
- 追跡8週間は長期的な不全や費用対効果の差を捉えにくい。
- 複合評価項目により特定合併症での相違が不鮮明となる可能性。
今後の方向性
費用対効果や長期転帰の評価、高感染リスクなどサブグループでの素材差の検証が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - レベルI:主要評価項目を事前設定した多施設ランダム化比較試験。
- 研究デザイン
- OTHER