双方向メンデルランダム化を用いた皮膚微生物叢と肥厚性瘢痕の因果関係の検討

概要

PopGenおよびFinnGenのGWASを用いた双方向二標本メンデルランダム化により、湿潤皮膚のEnhydrobacter、Micrococcus、Acinetobacterは保護的、乾燥皮膚のFinegoldiaおよびLactobacillalesは肥厚性瘢痕リスク増大という因果効果が示された。感度解析で水平多面発現や不均質性は示されなかった。

主要発見

• 双方向MRで、湿潤皮膚のEnhydrobacter、Micrococcus、AcinetobacterにHSに対する保護的因果効果が示された。
• 乾燥皮膚のFinegoldiaおよびLactobacillalesはHSリスク上昇と因果的に関連した。
• MR-Egger切片やCochraneのQを用いた感度解析で水平多面発現や不均質性の証拠はなかった。

臨床的意義

特定分類群を標的とする外用プロバイオティクス／プレバイオティクスや抗菌薬適正使用によりHSリスク修飾の可能性があり、微生物叢情報に基づく術後瘢痕ケアを後押しする。

限界

• GWASに基づく微生物叢の代理指標は分類学的解像度が限られ、株レベルの影響を捉えにくい。
• 臨床応用には前向きコホートや介入研究での検証が必要。

今後の方向性

皮膚微生物叢プロファイルとHS発症の前向き検証、高リスク患者を対象とした外用プロバイオティクス等の微生物叢介入試験が求められる。