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3次元原体照射による加速部分乳房照射の至適線量:用量漸増試験の15年追跡

International journal of radiation oncology, biology, physics2025-01-11PubMed
総合: 72.5革新性: 6インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7

概要

3D-CRT APBIの用量漸増試験(4 Gy×2回/日、総32・36・40 Gy、324例、追跡中央値15.2年)では、局所不成功に有意差はなかったが、10年時の中等度以上の線維化と不良整容性は高線量で増加した。本スキームでは32 Gy超を避けることを支持する。

主要発見

  • 15年局所不成功率は32 Gyで6.9%、36 Gyで5%、40 Gyで3.9%であり、有意差なし(P=.21)。
  • 10年時の中等度以上の線維化は線量依存的に増加:40%(32 Gy)、58%(36 Gy)、67%(40 Gy)(P<.01)。
  • 10年時の不良整容性は患者・医師評価とも高線量で増加(患者:25%、30%、49%;医師:21%、39%、61%;いずれもP<.01)。
  • 本スキームでは4 Gy×2回/日で32 Gy超の投与利益は示されなかった。

臨床的意義

4 Gy×2回/日の3D-CRT APBIでは、局所制御を損なわずに線維化と不良整容性を抑えるため32 Gyを選択すべきであり、患者報告アウトカムも含めた説明が重要である。

なぜ重要か

高線量で腫瘍制御の利益がなく毒性・整容性が悪化するという長期比較データを提示し、APBIの線量選択に直結する。

限界

  • 非ランダム化の順次コホートであり、選択・時代的バイアスの可能性
  • 最新技術(IMRT等)や他の分割法への一般化に限界がある

今後の方向性

現代的APBI技術での用量・分割のランダム化比較、線量と線維化を結ぶ機序研究、先進画像とPROの前向き登録への統合が望まれる。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
治療
エビデンスレベル
II - 長期追跡を伴う前向き非ランダム化用量漸増試験
研究デザイン
OTHER