バルト海のアオコ形成性シアノバクテリアによる微生物性サンスクリーン産生の直接的証拠
総合: 76.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
HR-LC-MSと系統ゲノミクスにより、バルト海のアオコが広範にMAAを産生することを示した。porphyra-334およびshinorineの産生が確認され、Anabaena/Dolichospermum/Aphanizomenon種複合体の48%がMAA生合成経路を保有していた。化粧品用UVフィルターの持続可能な供給源となり得る。
主要発見
- HR-LC-MSにより、2021–2022年に採取した59件の表面スカムのほぼ全てでMAAが検出された。
- 101ゲノムの系統ゲノミクス解析で、Anabaena/Dolichospermum/Aphanizomenon種複合体の48%がMAA生合成経路を保有していた。
- porphyra-334とshinorineの産生を確認し、Dolichospermum sp. UHCC 0684ではporphyra-334が乾燥重量あたり7.4 mgに達した。
臨床的意義
臨床前段階だが、安全性の高いバイオ由来UVフィルターの研究開発に資する知見であり、日焼け止めの規制・調達戦略にも影響し得る。
なぜ重要か
微生物性サンスクリーン産生の直接的・定量的証拠と種レベルのマッピングを提示し、化粧品における持続可能なUVフィルター実装への橋渡しとなる。
限界
- 環境観察研究であり、産業規模での製造、毒性、人への有効性は未評価。
- 採取地域(フィンランド南岸)と季節(2夏季)に限定され、一般化可能性に制約がある。
今後の方向性
持続可能な培養・抽出、製剤中での安定性、安全性評価、人関連モデルおよび臨床でのUV防御有効性の検証が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例集積
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- IV - 環境検体の観察的集積と分析・ゲノム特性評価に基づくエビデンス
- 研究デザイン
- OTHER