術中超音波ガイド下乳房温存術:新規病変分類と患者の整容満足度に基づく成績解析
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 6
概要
206例の前向きコホートで、術中超音波ガイド下乳房温存術は、従来法に比べて切除体積を縮小し、陽性断端率と再手術率を低下させ、最短断端を広げ、1年後の整容満足度を高めた。効果は全病変タイプで一貫し、非充実性非触知病変や術前化学療法後残存病変で顕著であった。
主要発見
- IOUS-BCSは従来法に比し、切除体積の有意な減少と腫瘍/標本体積比の上昇を達成した(P=.024, P=.002)。
- 陽性断端率と再手術率はIOUS-BCSで低く(P=.002, P=.01)、最短断端は広かった(P<.001)。
- 1年後の整容満足度は有意に高く、整容満足度の有意な予測因子は標本体積のみであった(P=.001)。
臨床的意義
IOUS-BCSの導入は、再手術と組織犠牲を減らし整容性を高める。患者満足度向上には標本体積の最小化が鍵である。
なぜ重要か
病変表現型横断の層別解析と1年の患者報告満足度により、腫瘍学的安全性と整容性を同時に最適化する精密手術パラダイムを示した。
限界
- 単施設・非無作為化であり選択バイアスの可能性がある。
- 追跡は1年に限られ、長期の局所制御と整容の持続性は今後の検討を要する。
今後の方向性
無作為化多施設試験での長期追跡により、腫瘍学的同等性/優越性の検証、整容の長期持続性、費用対効果の定量化が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 術中超音波ガイドと従来法の比較を行った前向き観察コホート
- 研究デザイン
- OTHER