Streptococcus zooepidemicusにおける誘導発現による前駆体代謝フラックス工学を用いた分子量カスタマイズ型ヒアルロン酸合成
総合: 76.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
S. zooepidemicusに内在的発現ツールキット(構成的32種、誘導的4種)を構築し、hasEを介してHA前駆体比を調整することで、発酵一段階で分子量可変のHA生産を実現しました。スクロース誘導系により0.78~1.77 MDaへ精密制御が可能となり、プロモーター強度は分子量と正に相関しました。
主要発見
- S. zooepidemicusにおいてhasE転写レベルはHA分子量と正相関した。
- プロモーター工学により、強いPR31で1.96 MDa、弱いPR22で1.63 MDaのHAを得た。
- スクロース誘導発現系で0.78~1.77 MDaの分子量精密調整が可能となった。
- UDP-GlcNAcまたはUDP-GlcAの過剰供給はHA分子量を低下させ、前駆体バランスの重要性を示した。
臨床的意義
前臨床段階ながら、分子量可変のHAは、所望の生体活性や滞留時間に合わせた皮内充填剤や粘弾性注入材、外用製剤の設計・選択に資する可能性があります。
なぜ重要か
本研究の機構的バイオプロセス革新は、美容フィラー・眼科・再生製品で重要なHA分子量の最適化を可能にし、コスト低減と品質一貫性の向上に寄与し得ます。
限界
- 実験室規模の検証であり、スケールアップ指標(収率・生産性・堅牢性)が未提示。
- 化粧品・医療用途に必要な無菌性・エンドトキシン・品質属性の評価がない。
今後の方向性
プロセス制御を伴うスケールアップ検討、LCAとコスト解析、分子量と皮膚充填剤・外用製剤における機能性能の対応付けが求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- 症例集積
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- V - 製品特性の機構的制御を示す前臨床の実験研究。
- 研究デザイン
- OTHER