乳房温存手術における術中断端検出を改善する光学剤L-ICG:前向き研究
総合: 73.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7
概要
前向きコホート(n=54)で、L-ICG局注による蛍光ガイドBCSは最終陽性断端率1.9%、十分な断端幅、優れた整容満足度、重篤な有害事象なし(追跡中央値12.8か月)を示した。再切除の低減と整容性維持に寄与する可能性がある。
主要発見
- 術中対応後の最終陽性断端率は1.9%(術中陽性は9.3%)。
- 断端幅の中央値は頭側8mm、尾側5.5mm、内側6mm、外側8mm。
- 整容評価は良好で、服着用時の満足は100%、外観は98%が良好/優秀と評価。重篤な有害事象なく、追跡中央値12.8か月で再発なし。
臨床的意義
術中断端評価の精度向上と再切除率低減、患者報告型整容アウトカムの最適化を目的として、L-ICGを用いたFIGSの導入を検討できる。
なぜ重要か
乳房温存手術の二大目標である残存腫瘍低減と整容性確保を、実装可能な蛍光ガイド法で両立し得ることを示した。
限界
- 無作為化対照のない単群・単施設研究であり、選択バイアスの可能性。
- 追跡期間が短中期で、腫瘍学的持続性と一般化可能性の検証が必要。
今後の方向性
再切除率・局所制御・整容性・費用対効果を主要評価とする多施設ランダム化試験を実施し、投与量・タイミング・撮像プロトコルの最適化を図る。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- III - 外科的イメージング手技を評価した前向き単群コホート。
- 研究デザイン
- OTHER