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脂肪酸のコアセルベーションによるグリーン固体脂質ナノ粒子:抗老化成分の経皮送達を可能にする革新的化粧品原料

International journal of pharmaceutics2025-01-23PubMed
総合: 73.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7

概要

溶媒不要・低エネルギーの脂肪酸コアセルベーションで天然石けん由来SLNを作製し、UVフィルターと抗老化成分を内包した。完成製剤は最大1年間の安定性を示し、Franzセルでは皮膚浸透が向上、ヒトでは安全性に加え保湿・弾力の改善が示された。

主要発見

  • 天然石けん(マンゴー・シア)由来の“グリーン”SLNを溶媒不要の脂肪酸コアセルベーションで作製し、UVフィルターと抗老化成分を内包した。
  • 完成製剤(セラム/ハイドロゲル)は最大1年間の物性・官能安定性を示し、なかでもマンゴーSLN配合セラムが最良の成績であった。
  • Franzセル(ブタ耳皮膚)でSLN内包により有効成分の皮膚透過が亢進した。
  • ヒトでのパッチ/チャレンジ試験で安全性が確認され、ボランティア試験で皮膚の保湿・弾力が改善した。

臨床的意義

溶媒不要SLNは有効成分の送達性向上とサステナビリティ目標の両立に資し、ヒトでの保湿・弾力改善の所見は、今後の対照試験の実施を正当化する。

なぜ重要か

グリーン製造とトランスレーショナルな検証(ex vivoおよびヒト)を結び付け、経皮送達を強化する実効性を示した点で、持続可能かつ有効なコスメシューティカルへの道筋を提示する。

限界

  • ヒト有効性評価は無作為化・対照がなく、要約ではサンプルサイズが示されていない
  • ブタ皮膚のex vivoモデルはヒト皮膚バリアの多様性を完全には再現しない可能性がある

今後の方向性

大規模コホートでの無作為化対照試験、さまざまな有効成分・皮膚タイプへの拡張、長期実臨床有効性および環境フットプリントの評価が望まれる。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究
研究領域
治療
エビデンスレベル
IV - 前臨床の製剤・ex vivo研究に小規模非無作為化ヒト評価を加えたもの
研究デザイン
OTHER