多波長オプトアコースティック・トモグラフィとレベルセット分割を用いたアジア人皮膚における色素性基底細胞癌の精密マッピングに関する概念実証研究
総合: 76.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
色素性BCC 30例で、MSOTと自動レベルセット分割により腫瘍の幅・深さが病理と強く相関(r=0.84, 0.81)した。非侵襲的な3Dマッピングにより術前計画を支援し、健常組織の温存と整容性の向上に寄与し得る。
主要発見
- MSOTに自動レベルセット分割を適用することで、色素性BCCの境界描出と幅・深さ・体積の精密測定が可能となった。
- MSOT由来の幅・深さは病理と強い相関(r=0.84, r=0.81)を示した。
- 80 μmの等方的高解像度と高い浸透性により、手術計画に適したコントラスト豊富な3Dマッピングが可能であった。
臨床的意義
MSOTによる術前マッピングはMohs手術の段数や再切除の削減、手術時間短縮、整容面で重要な部位の健常組織温存につながる可能性がある。
なぜ重要か
病理との定量的検証を伴う高解像度の腫瘍マッピング法を提示し、皮膚外科の重要なボトルネックを解消し得る。
限界
- サンプル数が少なく(n=30)、単施設的な概念実証である
- 対象が色素性BCCかつアジア人皮膚に限定されており、他の亜型や集団への一般化には検証が必要
今後の方向性
多施設・大規模の診断精度研究を行い、Mohs段数・手術時間・断端陰性率などの臨床有用性や費用対効果を評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- III - 基準である病理組織と相関をとった前向き診断概念実証。
- 研究デザイン
- OTHER