クロルヘキシジンまたはトリクロサンへの長期in vitro曝露はNakaseomyces glabratusにおいてアゾール系に対する交差耐性を誘導する
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8
概要
高スループット曝露系により、クロルヘキシジンまたはトリクロサンの長期曝露でN. glabratus 50株にアゾール耐性が生じ、PDR1およびPMA1変異が関連した。一方、オクテニジンでは交差耐性は誘導されず、防腐剤自体への安定耐性は形成されなかった。
主要発見
- クロルヘキシジンまたはトリクロサンの長期曝露により、N. glabratusの50株でアゾール耐性が誘導され、PDR1およびPMA1の変異が同定された。
- 長期曝露後も防腐剤自体への安定耐性は形成されなかった。
- 同条件下でオクテニジンはアゾールへの交差耐性を促進しなかった。
臨床的意義
代替可能な場面ではクロルヘキシジンやトリクロサンの常用を抑制し(例:オクテニジンへの置換)、高曝露環境でのCandida/Nakaseomycesに対するアゾール耐性監視を強化すべきである。
なぜ重要か
広く用いられる防腐成分が酵母におけるアゾール耐性の新たな獲得経路となり得ることを示し、口腔・化粧品領域での防腐剤適正使用および抗真菌耐性監視に影響を与える。
限界
- in vitroのみの結果であり、臨床への外挿や生体内曝露条件の妥当性は今後の検証が必要
- 種特異的な所見であり、他のCandida属への影響は要旨からは不明確
今後の方向性
防腐剤曝露歴を持つ臨床コホートでの検証、適応度コストと可逆性の評価、高使用環境でのオクテニジン置換などの介入効果の検討が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 機序と耐性獲得を示した前臨床in vitro実験研究。
- 研究デザイン
- OTHER