カナダの都市下水および汚泥における医薬品・パーソナルケア製品:出現状況、動態、2010–2013年から2022年の時系列動向
総合: 69.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 8引用可能性: 7
概要
カナダの下水処理場で135種のPPCPsを網羅的に測定し、疎水性に依存した固相への分配と生物学的処理での高い除去性を示した。2010–2013年と2022年の比較では、リスク管理、新薬導入、COVID-19の影響による変動が示され、継続的な監視の必要性が示唆された。
主要発見
- 流入・放流で優勢なのはメトホルミン、鎮痛抗炎症薬、カフェイン関連化合物、DEET、イオパミドール
- 汚泥で優勢なのはフルオロキノロン系、ドキシサイクリン、抗うつ薬(セルトラリン、シタロプラム、アミトリプチリン)、トリクロサン、ジフェンヒドラミン、クロトリマゾール
- 生物学的処理は一次物理化学処理より除去率が高く、時系列動向は政策、新薬、パンデミックの影響を反映
臨床的意義
本データは、医療者・薬剤師による適正廃棄の指導や、公衆衛生上の曝露低減策(処理で残存しやすいPPCPsへの対策)に役立つ。
なぜ重要か
都市下水におけるPPCPsの動態を処理方式別・長期時系列で提示し、環境曝露・公衆衛生リスク評価・医薬品・パーソナルケア製品の適正使用に資するため。
限界
- 処理場数・地理分布・採取頻度の詳細は抄録では不明
- ヒト曝露や健康影響は推定であり、直接測定ではない
今後の方向性
環境濃度とヒト生体モニタリングの連携、オゾン・活性炭等の高度処理の評価、残留性の高いPPCPsに対するリスク閾値の改訂を行う。
研究情報
- 研究タイプ
- 観察研究(環境モニタリング)
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- V - 臨床アウトカムを伴わない環境監視研究
- 研究デザイン
- OTHER