口腔ヒトパピローマウイルス感染検出における含嗽(オーラルリンス)と他の検出法の有効性:Oromouthコホート研究
総合: 69.5革新性: 6インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 6
概要
扁桃摘出患者945例のコホートで、口腔リンスは口腔HPVの検出率が最も高かったが、他部位で同定された高リスク感染の73%を見逃した。他の3部位(咽頭後壁・舌根・扁桃)の追加により、高リスクHPVの検出はリンス単独に比べ38%増加し、血清学的検査の付加価値は限定的であった。
主要発見
- 多部位採取の合算では高リスクHPV有病率4.3%、全HPV有病率18%であった。
- 口腔リンス単独の高リスクHPV検出率は4.0%だが、他部位で陽性の高リスクHPVの73%(11/15)を見逃した。
- 咽頭後壁・舌根・扁桃の追加により、高リスクHPV検出はリンス単独に比べ38%(11/29)増加し、血清学的検査の追加効果は最小限であった。
臨床的意義
スクリーニングやサーベイランスでは、含嗽単独に依存せず、多部位採取や検証済み補助法の併用を検討し、高リスクHPVの過小評価を避けるべきである。
なぜ重要か
口腔リンス単独に依存した有病率推定やスクリーニングの妥当性に疑義を呈し、ワクチン効果評価や試験エンドポイント設計に直接的影響を及ぼすため重要である。
限界
- 対象が扁桃摘出術患者に限られ、一般化可能性に制限がある
- 縦断的持続性の評価がない横断的採取である
- 口腔各部位間での採取ばらつきの可能性
今後の方向性
多部位採取プロトコルの標準化、費用対効果の評価、部位別の縦断的持続性と感染伝播リスクの検討により、スクリーニング戦略の最適化を図る。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- II - 複数口腔部位の検出性能を評価した前向きコホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER