医師の性別とオンラインレビューにおける対人態度・技術的能力の患者認識

概要

167,150人の医師に対する345,053件のレビューで、女性医師は対人態度と技術的能力に関する否定的コメントを受けやすく、これらが高い星評価の獲得を不均衡に低下させました（特に女性のプライマリケア医と外科医）。オンライン評価における広範なジェンダーバイアスが示されました。

主要発見

• 女性医師は対人態度に関する否定的コメントを受けやすかった（全体OR 1.22；95% CI 1.18–1.26）。
• 技術的能力に関する否定的コメントは、女性のプライマリケア医（OR 0.60；95% CI 0.50–0.73）および女性外科医（OR 0.67；95% CI 0.50–0.89）の高評価獲得を不均衡に低下させた。
• 女性プライマリケア医は、技術的能力に関する肯定的コメントを受けた場合でも、男性より高評価を得にくかった（OR 0.82；95% CI 0.70–0.96）。

臨床的意義

オンライン評価をバイアス認識枠組みで解釈し、品質指標の算定におけるジェンダーバイアスの軽減、患者向けの責任あるレビュー投稿に関する啓発が求められます。

限界

• 横断研究であり因果推論は不可、症例ミックスなどの未観測交絡が残存しうる。
• オンライン投稿者の選択バイアスやプラットフォーム特異性により、一般化可能性が制限される可能性。

今後の方向性

評価のデバイアス化（表示の較正、投稿時プロンプト等）の介入試験、レビューと臨床転帰の連結、プラットフォーム・国際間での再現研究が求められます。