メインコンテンツへスキップ

一般的に使用される乳房インプラントの国際的な再手術発生率の比較

JAMA surgery2025-02-19PubMed
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8

概要

豪州とオランダのレジストリを統合した15万0969件の解析で、合併症関連の再手術は再建6.3%、美容1.2%であった。美容領域では解剖学的ポリウレタン‐シリコーンが解剖学的テクスチャード‐シリコーンより再手術リスクが低かった(HR 0.38)。一方、5年累積の再手術発生率には型間差は認められなかった。

主要発見

  • 豪州・オランダのレジストリを調和・統合し、多国間の時間依存解析が可能となった。
  • 合併症関連再手術の発生率は再建6.3%、美容1.2%。
  • 美容領域で解剖学的ポリウレタン‐シリコーンは解剖学的テクスチャード‐シリコーンより再手術リスクが低かった(HR 0.38、95% CI 0.22–0.64)。
  • 再建・美容いずれでも5年累積の再手術発生率に型間の有意差は認められなかった。

臨床的意義

美容増大では解剖学的ポリウレタン‐シリコーンが解剖学的テクスチャード‐シリコーンより再手術リスクが低い可能性があるが、5年累積では型間差は小さい。中期予後が概ね同等である点とレジストリ参加継続の重要性を含めて意思決定を行うべきである。

なぜ重要か

実世界デバイス安全性評価における国際レジストリ調和の有用性を示し、インプラント選択や今後の規制・臨床研究に資するため重要である。

限界

  • 観察研究であり、手術手技や術者経験などの未測定因子を含む残余交絡の可能性がある。
  • 追跡は概ね5年であり、長期差異を捉えきれない可能性がある。レジストリ登録の完全性に依存する。

今後の方向性

他国レジストリへの調和拡大、メーカー別・手術手技変数の導入、追跡延長により長期アウトカムや稀な事象の評価を進めるべきである。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予後
エビデンスレベル
III - レジストリデータを用いた多施設観察コホート研究(時間依存解析)。
研究デザイン
OTHER