ハイドロキシアパタイト-フッ化物配合歯磨剤の齲蝕活動性に対する効果：三重盲検ランダム化臨床試験

概要

610例を対象とする24カ月の三重盲検RCTで、ハイドロキシアパタイト-フッ化物歯磨剤はモノフルオロリン酸塩歯磨剤よりもエナメル質齲蝕の不活化に優れました。象牙質病変の差は小さいものの、HAF群では不活化病変数が多い結果でした。1日3回のブラッシングで518例が完了しました。

主要発見

• 三重盲検RCT（n=610、24カ月）でHAF歯磨剤2種（1000・1450ppmF）とNaMFP歯磨剤2種を比較。
• HAFはNaMFPに比べエナメル質病変の不活化が有意に多く（P<.01）、原発歯の活動性から不活化への移行もHAFが優位でした（P=.04）。
• 象牙質病変の最終転帰は両群で類似（P=.08）だが、HAF群で不活化病変数が多い傾向。プロトコール遵守解析で518例が完了。

臨床的意義

乳歯の活動性齲蝕を有する小児では、病変不活化とエナメル質再石灰化の促進のため、モノフルオロリン酸塩よりハイドロキシアパタイト-フッ化物配合歯磨剤の選択が推奨されます。

限界

• プロトコール遵守解析により脱落バイアスの可能性。
• 遵守状況や食習慣など交絡の詳細、画像診断による評価が記載されていない。

今後の方向性

ITT解析での検証、画像評価や口腔内マイクロバイオーム解析、費用対効果の検討、実臨床でのアドヒアランス評価が望まれます。