メインコンテンツへスキップ

経鼻投与された酸化亜鉛ナノ粒子はミクログリア経路を介して神経細胞PANoptosisを誘発する

Small (Weinheim an der Bergstrasse, Germany)2025-02-27PubMed
総合: 83.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

酸化亜鉛ナノ粒子は経鼻的に脳へ到達しミクログリアに蓄積、ミクログリアNOX2由来ROSを介して神経細胞PANoptosisを誘発した。吸入可能なナノ粒子曝露と神経毒性を結ぶ機序的知見であり、消費者製品や職業曝露の安全性に関わる。

主要発見

  • ZnOナノ粒子は鼻脳経路で脳内へ到達し、アストロサイトやニューロンではなくミクログリアに蓄積した。
  • NOX2由来ROSによるミクログリアの酸化ストレスが、ニューロンの膜脂質過酸化とCa2+上昇を引き起こした。
  • 共培養系で神経細胞のPANoptosisが誘導され、ミクログリア活性化と統合的細胞死経路が結びついた。

臨床的意義

化粧品や消費財のスプレー・粉体など吸入されうるナノ粒子製剤および職業曝露には注意が必要である。安全性評価には鼻脳経路、ミクログリア蓄積、NOX2経路を組み込むべきである。

なぜ重要か

ZnOナノ粒子が経鼻曝露後にミクログリアNOX2-ROSを介して神経細胞PANoptosisを誘導する新機序を提示し、化粧品や医療で広く用いられるナノ材料の神経学的安全性に対する前提を揺さぶる。

限界

  • 前臨床研究であり、人における用量反応や実曝露との整合性は不明。
  • 経鼻曝露に焦点があり、皮膚のみの化粧品曝露へ一般化できない可能性がある。

今後の方向性

適切な動物・ヒトでの用量反応および慢性曝露研究、被覆あり/なしZnOや代替製剤の評価、NOX2阻害による防御戦略の検討。

研究情報

研究タイプ
基礎・機序研究
研究領域
病態生理
エビデンスレベル
V - 前臨床のin vivoおよびin vitroによる機序研究
研究デザイン
OTHER