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コンピュテーショナル組織学により、ex vivoヒト皮膚モデルで虫よけ剤と日焼け止めの同時適用がUV防御を損なうことが明らかになった

Parasites & vectors2025-03-05PubMed
総合: 80.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 9

概要

深層学習に基づくコンピュテーショナル組織学NoxiScoreにより、UV誘発皮膚障害に関連する核テクスチャ特徴を同定し、日焼け止め単独は保護的である一方、虫よけとの同時塗布でUVB防御が有意に低下することを示しました。虫よけ単独は保護・毒性効果を示さず、ドナー間のばらつきが認められました。

主要発見

  • 深層学習パイプライン(NoxiScore)は、ヒト皮膚組織におけるUV/酸化ストレス障害を示す核関連特徴を定量化した。
  • 日焼け止め単独はex vivoでUVB障害に対し保護的であり、虫よけ単独は保護・毒性とも示さなかった。
  • 日焼け止めと虫よけの同時塗布はUVB防御を有意に低下させ、保護レベルにはドナー間差がみられた。
  • テクスチャに基づく核特徴を組織障害の定量バイオマーカーとして同定した。

臨床的意義

同一部位での虫よけ剤と日焼け止めの同時塗布は避け、塗布順序と間隔(例:日焼け止め先行・吸収後に虫よけ)を推奨すべき可能性があります(in vivo検証待ち)。NoxiScoreのようなデジタル形態解析は外用製剤の併用前臨床スクリーニングを強化し得ます。

なぜ重要か

虫よけ剤と日焼け止めの同時使用がUV防御を損なうことをex vivoヒト皮膚で初めて示し、化粧品安全性評価に再利用可能なAIパイプラインを提示しました。公衆衛生上の助言や使用指針に影響し得ます。

限界

  • ex vivoモデルはin vivoの薬物動態や汗・皮脂動態、行動要因を完全には反映しない可能性がある。
  • 対象製品・有効成分が限定的であり、相互作用メカニズムや他剤・他フィルターへの一般化には検証が必要。

今後の方向性

相互作用のin vivo検証、塗布順序・間隔の最適化、各種虫よけ有効成分(例:DEET、ピカリジン)や日焼け止めフィルターへの拡大検討が必要です。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予防
エビデンスレベル
V - AI解析を併用した前臨床のex vivoヒト組織研究であり、臨床試験ではない。
研究デザイン
OTHER