ブタ皮膚のセラミドプロファイリングとソルビタンエステル(SE)の皮膚バリア機能への影響に関する系統的検討
総合: 70.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7
概要
LC-MSによるセラミド解析、TEWL、共焦点ラマンを用いた検討で、ソルビタンエステルは皮膚親和的であることが示された。SE60(およびコレステロール)はセラミド減少が最小で、SE40/60/80/120はいずれもTEWL上昇を示さなかった。ラマンでの構造指標も安定で、バリア両立的な製剤選択を支持する。
主要発見
- SEはモノ/ジ/トリエステルの混合で脂肪酸組成が複雑である。
- LC‑MS解析でSE60とコレステロールはセラミド減少が最小で、SE40/60/80/120はいずれもTEWL上昇を示さなかった。
- 共焦点ラマンでは脂質鎖秩序・コンフォメーション・角層厚に大きな変化はなく、脂質量はSE120を除き低下した。
臨床的意義
バリア温存が重要な症例(アトピー素因、レチノイド併用など)でSE系乳化剤(特にSE60)の選択を支持し、SLS回避を促す。皮膚科・化粧品における賦形剤選択の根拠となる。
なぜ重要か
広く使用される乳化剤がセラミドとバリア指標に与える影響を厳密に示し、より安全な皮膚用・化粧品製剤設計に資するため。
限界
- ブタ皮膚のex vivoモデルであり、ヒトでの臨床反応や慢性曝露を完全には反映しない可能性がある。
- 実際の製剤マトリクスや長期反復使用の影響は未評価である。
今後の方向性
ヒトin vivoのTEWL・物性評価、感受性皮膚コホートでの長期使用試験、他乳化剤・界面活性剤との直接比較研究が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- 実験研究
- 研究領域
- 病態生理
- エビデンスレベル
- V - 臨床アウトカムを伴わないブタ皮膚ex vivoおよび物理評価。
- 研究デザイン
- OTHER