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イソチアゾリノン曝露後のランゲルハンス細胞移動を評価する画像解析ツールの開発

Archives of toxicology2025-03-14PubMed
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8

概要

オープンソースのQuPathと機械学習を併用した解析により、イソチアゾリノン曝露後のヒト皮膚外植片で表皮層とランゲルハンス細胞位置の自動検出・定量化を実現しました。感作物質として整合する基底板方向への移動はオクチルイソチアゾリノンのみで認められ、水性媒体自体も移動に影響しました。

主要発見

  • 表皮層およびランゲルハンス細胞位置の自動検出のため、QuPath/機械学習のオープンスクリプトを開発・検証した。
  • 4種イソチアゾリノンを24時間曝露したヒト皮膚外植片で、溶媒(水)によるランゲルハンス細胞移動への影響を確認した。
  • 感作物質に整合する基底板方向の移動はオクチルイソチアゾリノンのみで認められ、メチルイソチアゾリノンおよびベンゾチアゾリノンでは異なる移動パターンを示した。

臨床的意義

化粧品・日用品成分の皮膚感作性を前臨床段階で客観的に評価でき、偽陰性・偽陽性の低減やより安全な原料選択に資する可能性があります。

なぜ重要か

感作の鍵過程を客観的に定量化する検証済みのオープン手法であり、非動物試験による化粧品安全性評価という規制ニーズに応えます。

限界

  • ヒトドナー数・反復数の明確な記載がなく、予備的データである
  • 曝露期間が短く(24時間)、化学物質の種類も限定的
  • 臨床的ACD発症との相関・外的妥当性が未確立

今後の方向性

感作物質・溶媒の拡充、ドナー間変動の提示、OECD指針やAOPとの整合化、臨床パッチテストデータとの予測精度検証が求められる。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
予防
エビデンスレベル
IV - 無作為化対照を伴わないヒト外植片での実験的症例集積
研究デザイン
OTHER