モース手術後1年間にわたり患者報告QOLと審美満足度は継続的に改善する:多施設前向きコホート研究
総合: 72.5革新性: 6インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 8
概要
4施設前向きコホート(N=990)において、顔面モース手術後の審美満足度とQOLは1年間で改善した。鼻部などの腫瘍部位、欠損サイズ、性別、既往が転帰に影響した一方、再建術式の種類は満足度に影響しなかった。
主要発見
- モース手術後1年間でFACE-Qによる満足度は全般的に改善した。
- 鼻部病変は外見および瘢痕満足度の低下(P=.026、P<.001)と心理的苦痛の増大(P=.004)と関連した。
- 欠損が大きいほど心理的苦痛が増加(P=.037)し、瘢痕評価が低下(P=.008)した。再建術式は満足度に影響しなかった。
臨床的意義
腫瘍部位や欠損サイズに基づき、心理的負担や瘢痕満足度低下のリスク層別化を行い、鼻部・眼周囲の患者には適切な術前説明を行う。満足度には再建術式の影響が乏しいため、術式選択は腫瘍学的・機能的観点を優先できる。
なぜ重要か
モース手術後の患者報告アウトカムの規定因子を大規模前向き多施設データで明確化し、個別化した説明と期待値調整に資する。
限界
- 観察研究であり因果推論に限界がある
- 選択バイアスや残余交絡の可能性、米国内の施設に限定
今後の方向性
患者報告アウトカムを意思決定支援に組み込み、鼻部や眼周囲など高リスク部位に対する心理社会的介入を開発。国際的検証とデジタルモニタリングの有用性評価が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- III - モース手術後の患者報告アウトカムを評価した多施設前向きコホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER