コンタクトレンズ用サンプロテクションファクター(CL-SPF)の開発
総合: 74.5革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 8
概要
標準化SPF法・分光測定・レイトレーシング・細胞試験により、コンタクトレンズのUV防御性能をSPFに対応づけるCL-SPFを提案。Class1 UVブロックレンズはCL-SPF約60–66(SPF50+相当)、非ブロックレンズは約1–2。サングラスの幾何学的死角と結膜の高いUV感受性から、レンズの保護は主に角膜に限られることが示された。
主要発見
- コンタクトレンズ15種と眼鏡素材3種のUV透過を測定し、皮膚用標準SPF法でCL-SPFを導出。
- UVブロック無し:CL-SPF 1.0–2.0、Class2:12.3–24.8(SPF15相当)、Class1:59.6–66.2(SPF50+相当)。
- レイトレーシングでサングラスの保護は太陽角度と頭位で変動し、平均76%~89%の光を遮断(濃度に依存)。
- 細胞試験では眼表面細胞の損傷プロファイルは皮膚に類似するが、結膜細胞はよりUVに感受性が高いことが示唆された。
臨床的意義
眼科医療者はCL-SPFを用いてUV防御を説明し、ハイリスク患者にはClass1 UVブロックレンズを推奨するとともに、コンタクトレンズでは露出する結膜・強膜は保護されないためサングラスや帽子の併用が必要であることを強調できる。
なぜ重要か
消費者にわかりやすい新規指標を方法学的三角測量で提示し、コンタクトレンズのUV防御表示の標準化と、サングラス併用の指導に資するため臨床・産業双方での波及が見込まれる。
限界
- 臨床的UV曝露アウトカムを伴わないin vitroおよびモデリング研究である。
- 製品数と実験条件が限定的で、実環境での装用を完全には反映しない可能性がある。
今後の方向性
CL-SPF区分と臨床的フォトプロテクションアウトカムの前向き関連研究、メーカー横断の表示標準化、CLとサングラス/帽子の併用効果検証が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- III - 無作為化を伴わない実験・観察的手法(ラボ・モデリング)による研究。
- 研究デザイン
- OTHER