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硝子体内注射の消毒におけるクロルヘキシジン対ポビドンヨード:システマティックレビューとメタアナリシス

American journal of ophthalmology2025-03-29PubMed
総合: 71.0革新性: 6インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

7件の比較研究を通じ、硝子体内注射後の眼内炎発症率はクロルヘキシジンとポビドンヨードで同等であり、視力予後も差はなかった。一方でクロルヘキシジンは忍容性と疼痛の面で優れており、眼内炎症例における表皮ブドウ球菌陽性の頻度も低かった。

主要発見

  • 注射後眼内炎(推定例、培養陽性例、陰性例)の発生率はクロルヘキシジンとポビドンヨードで有意差なし。
  • 眼内炎症例の矯正視力の予後は両消毒薬で同等。
  • クロルヘキシジンはポビドンヨードより忍容性が高く疼痛が少ない。
  • 眼内炎症例における表皮ブドウ球菌陽性の確率はクロルヘキシジンで低かった。

臨床的意義

術前消毒としてクロルヘキシジンはポビドンヨードの妥当な代替となり、ヨウ素過敏やPIの忍容性が低い患者で特に有用。導入に際しては施設プロトコル、CHX濃度、まれな有害事象の監視を考慮すべきである。

なぜ重要か

硝子体内注射は極めて頻度が高く、同等の感染予防効果で患者の快適性が向上することは消毒プロトコルと患者体験を変え得る。

限界

  • 7研究に限定され、プロトコルや消毒薬濃度、アウトカム定義の不均質性があり得る。
  • 稀なイベントのため眼内炎発生率の小さな差を検出する検出力が限られる。

今後の方向性

標準化濃度でのPI対CHXを直接比較する大規模実地型RCT(疼痛、コスト、微生物学的指標を含む)と、多施設高ボリューム診療での実装研究が望まれる。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー/メタアナリシス
研究領域
予防
エビデンスレベル
I - 硝子体内注射の消毒に関する比較研究のシステマティックレビュー/メタアナリシス。
研究デザイン
OTHER