清潔・汚染手術における手術部位感染発生率に関する水性オラネキシジンとアルコール含有クロルヘキシジンの有効性:無作為化優越性試験
総合: 70.5革新性: 6インパクト: 6厳密性: 9引用可能性: 5
概要
5施設の準汚染手術無作為化試験(n=700)で、水性オラネキシジンはクロルヘキシジン–アルコールに比べ30日SSIを減少させなかった(12.4% vs 13.6%、調整RR 0.911、P=0.626)。有害事象は稀で群間差はなく、SSIの各分類や再手術率にも差は認めなかった。
主要発見
- 30日SSI発生率:オラネキシジン12.4% vs クロルヘキシジン–アルコール13.6%(調整RR 0.911、P=0.626)
- 表層・深部・臓器/体腔SSIやSSIによる再手術に有意差はなし
- 有害事象は稀で群間差は小さい(0.58% vs 0.87%)
臨床的意義
準汚染手術ではクロルヘキシジン–アルコールが妥当な標準であり、SSI低減目的で水性オラネキシジンへ切替える根拠はない。清潔手術(審美外科など)への外的妥当性には注意が必要だが、切替えの明確な利点は示されていない。
なぜ重要か
高品質な陰性RCTにより、水性オラネキシジンがクロルヘキシジン–アルコールに優越しないことが明確化され、消毒剤選択と適正使用に資する。
限界
- 準汚染の消化器・肝胆膵手術で実施されており、清潔手術(審美外科)への一般化は不確実
- 消毒剤比較の性質上、盲検化に制約がある可能性
今後の方向性
清潔手術での直接比較試験、費用対効果解析、皮膚常在菌叢・皮膚耐容性評価を含む検討により、推奨消毒剤の最適化が進む。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 多施設ランダム化比較優越性試験
- 研究デザイン
- OTHER