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軟部組織フィラーによる視力脅威性合併症:米国眼科学会レポート

Ophthalmology2025-04-01PubMed
総合: 69.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 6引用可能性: 8

概要

19研究から198例の視力障害を集約し、鼻・前額・眉間など上中顔面の注入が多数を占めた。83%はヒアルロン酸が関与。ヒアルロニダーゼや血管内血栓溶解などの治療は概ね安全だが視力回復は稀で、改善28%、不変70%、悪化2%であった。

主要発見

  • 視力障害198例を同定。フィラー材料はヒアルロン酸83%(164/198)、自家脂肪15%(29/198)。
  • 高リスク注入部位:鼻40%、前額25%、眉間12%、側頭9%・前頭7%。上中顔面が84%を占めた。
  • 発症後の視力転帰:不変70%(137/196)、改善28%(56/196)、悪化2%(3/196)。治療は概ね安全だが視力回復は稀。

臨床的意義

鼻・上中顔面でのボーラスや高圧注入を避け、適応に応じてカニュラや超音波ガイドを用いるなどリスク低減を最優先とする。眼科への迅速な紹介を含む緊急対応体制を整備し、限られたエビデンスであることを理解した上で動注的血栓溶解を検討する。

なぜ重要か

誤血管内注入後の高リスク顔面部位と管理の現実的限界を明確化し、予防プロトコルと緊急対応アルゴリズムの策定を多領域で後押しする。

限界

  • 全研究がレベルIIIで症例報告・症例集積中心、対照不在
  • 標準化治療プロトコルがなく、公表・報告バイアスの可能性

今後の方向性

迅速画像・血管造影を含む前向きレジストリと標準化救急プロトコルの構築、倫理的に可能な範囲での再灌流戦略のランダム化・実用試験。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー
研究領域
予防
エビデンスレベル
III - 合併症と治療を扱う非ランダム化の症例報告・症例集積の統合
研究デザイン
OTHER