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東京湾流域における揮発性メチルシロキサンの時空間動向と生態リスク評価:河川水および下水処理場サンプル

The Science of the total environment2025-04-05PubMed
総合: 76.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8

概要

2013〜2021年にかけて、東京湾流域の水系でVMS(D3–D6、L3–L6)が広範に検出され、下水処理場下流で高濃度であった。D4–D6は年率−7.7〜−6.4%で有意に低下し、予測無毒性濃度近傍ではあるが生態リスクは低下傾向を示し、規制の有効性が示唆された。

主要発見

  • VMS(D3–D6、L3–L6)は河川で広範に検出(2.3–1190 ng/L)され、下水処理場流下で最高濃度を示した。
  • シリコーン製造施設下流ではD3を除き一貫した濃度上昇は認めなかった。
  • 2013〜2021年にD4–D6は年率−7.7〜−6.4%で有意に減少した。
  • D4–D6の生態リスクは経時的に低下し、野外95百分位濃度は慢性NOECの5百分位と重ならなかったが、予測NOEC近傍で推移した。

臨床的意義

臨床試験ではないが、環境負荷の低い製品選択に関する患者指導や、高リスクVMSの規制強化を支持する専門職としての提言に資する知見である。

なぜ重要か

規制とVMS濃度・生態リスク低下を結び付ける長期表層水データを提供し、シリコーン含有化粧品成分の環境政策立案に資する。

限界

  • ヒト曝露や健康影響を直接評価していない
  • 採取強度や正確な試料数は抄録で明記されておらず、空間・時間的なサンプリングばらつきの可能性がある

今後の方向性

環境動向と曝露・健康影響を結び付けるためにヒトバイオモニタリングや発生源寄与解析を統合し、高リスクcVMSの代替物質と混合毒性の評価を進める。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
予防
エビデンスレベル
III - 無作為化のない観察的縦断モニタリング研究
研究デザイン
OTHER