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作用機序アプローチは6種類の有機系紫外線吸収剤に発がん性の可能性がないことを支持する

Critical reviews in toxicology2025-04-10PubMed
総合: 75.0革新性: 8インパクト: 9厳密性: 6引用可能性: 9

概要

本研究は、アボベンゾン、エンシュリゾール、ホモサレート、オクチノキサート、オクチサレート、オクトクリレンの6成分について、作用機序に基づく枠組みで発がん性評価を行った。機序・曝露・毒性データを統合し、2年げっ歯類試験のヒト予測性の限界を示した上で、現時点の証拠はこれら成分の非発がん性を支持すると結論づけた。

主要発見

  • 曝露および機序データを統合した作用機序(MOA)枠組みにより発がん性を評価する手法を提示した。
  • アボベンゾン、エンシュリゾール、ホモサレート、オクチノキサート、オクチサレート、オクトクリレンの6成分について、ヒトでの発がん性の可能性は低いとする証拠が支持された。
  • 従来の2年げっ歯類発がん性試験のヒト予測性の低さを指摘し、全身吸収に関するFDAの懸念に沿った代替的補完アプローチを示した。

臨床的意義

これらの成分を含む日焼け止めは、追加データの検討中であっても皮膚がん予防の推奨を維持できることを後押しする。ヒト関連性の高いMOA評価の導入を促し、不必要な長期動物試験の削減に寄与し得る。

なぜ重要か

日焼け止めの安全性に関する注目度の高い規制課題に対し、従来のげっ歯類発がん性試験に代わる機序ベースの評価を提示した。FDAの判断や日焼け止め使用に関する公衆衛生メッセージに資する可能性が高い。

限界

  • 新規の発がん性実験データを伴わないナラティブな枠組みである。
  • 結論は既存毒性データの網羅性と質に依存する。

今後の方向性

ヒト関連性の高いin vitro/NAMsによるMOA枠組みの前向き検証と規制ケーススタディの蓄積、2年げっ歯類試験の代替・削減に向けた国際ガイドラインとの整合化が望まれる。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー
研究領域
予防
エビデンスレベル
V - 新規一次データを伴わない専門家による機序的総説。
研究デザイン
OTHER