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自己強化型シルクナノフィブリルネットワークにより、低侵襲手術に用いる超微細フィブロイン単糸縫合糸を実現

International journal of biological macromolecules2025-04-12PubMed
総合: 73.0革新性: 8インパクト: 7厳密性: 7引用可能性: 7

概要

βシートに富むシルクナノフィブリルをRRSFに組み込み、水中延伸で高配向の自己強化ネットワークを形成し、超微細かつ高強度の単糸縫合糸を実現しました。縫合糸はUSP 9-0を満たし(直径39.38μm、引張強度0.31N)、抗菌性と30日で約43%の分解を示し、動物モデルで炎症と瘢痕を低減しました。

主要発見

  • SFNF 0.1 wt%添加+2.5倍延伸で、SFNF無添加比33%の引張強度向上。
  • 直径39.38μm・引張強度0.31NのUSP 9-0単糸縫合糸を達成。
  • 抗菌性を示し、30日で43.09%分解。
  • 動物実験で創閉鎖促進、炎症反応の低減、瘢痕の最小化を確認。
  • 蛍光観察とシミュレーションで高配向・自己強化SFNFネットワークを裏付け。

臨床的意義

超微細かつ高強度の単糸縫合糸は、切開の小型化と瘢痕の軽減により顕微外科の整容性を向上させ、抗菌性により感染リスク低減も期待できます。

なぜ重要か

本技術は美容・再建外科の核心である瘢痕最小化と精密縫合に直結し、抗菌性・生分解性を兼ね備えた有用な支援技術を提供します。

限界

  • ヒト臨床試験を伴わない前臨床研究である点。
  • 30日以降の長期耐久性・分解性が未評価。

今後の方向性

量産化、操作性評価、顕微外科・美容手術での臨床試験、長期性能と感染アウトカムの検証が求められる。

研究情報

研究タイプ
症例集積
研究領域
治療
エビデンスレベル
V - ヒトを対象としない前臨床の実験的エビデンス。
研究デザイン
OTHER