日光角化症に対する光線力学療法と従来療法の比較有効性:系統的レビューとメタアナリシス
総合: 72.5革新性: 6インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
13件のRCT(n=1,841)で、12カ月時点の完全消失率は5-FUがPDTを上回りました(74.7% vs 37.7%;RR 0.50, 95% CI 0.40–0.64)。PDTは全体として凍結療法と同等でしたがグレードIII病変で優れ、移植患者ではイミキモドより有効でした。5-FU前処置でPDT効果は増強され、審美性と満足度はPDTが優れていました。
主要発見
- PDTと凍結療法、5-FU、イミキモドを比較するRCT 13件(n=1,841)を解析
- 12カ月で5-FUがPDTに優越(74.7% vs 37.7%;RR 0.50, 95% CI 0.40–0.64, P<0.001)
- 全体ではPDTと凍結療法は同等(63.5% vs 52.4%, P=0.154)だが、グレードIII病変ではPDTが優越(56.9% vs 13.4%, P=0.021)
- 免疫正常ではイミキモドがPDTより有効(53.9% vs 37.7%, P=0.006)、臓器移植患者ではPDTがイミキモドより有効(78% vs 61%, P<0.001)
- 5-FU前処置でPDTの有効性が向上(87% vs 74%, P<0.0001)
- PDTは凍結療法より審美性が良好(低色素斑 0–3% vs 31%)で、イミキモドより患者満足度が高い(90% vs 61%)
臨床的意義
長期完全消失を最重視する場合は5-FUを第一選択に。グレードIII病変、臓器移植患者、審美性・忍容性重視ではPDTを検討。PDT前に5-FU前処置を併用し効果増強を図る。
なぜ重要か
病変重症度や免疫状態に応じた日光角化症治療の個別化に資する比較エビデンスを提示し、有効性と審美性の両立を支援します。
限界
- PDTのプロトコール(光感受性物質・照射条件)に不均一性の可能性
- 追跡期間と評価基準が試験間で異なる;バイアスリスクの詳細は抄録に記載なし
今後の方向性
標準化PDTプロトコール、長期再発・審美性・QOLを評価する直接比較RCTの実施;費用対効果評価と併用療法最適化。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験のメタアナリシスによる最上位の比較エビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER