背側保存型鼻形成術と従来型ハンプ切除における術後の背側審美ラインの差異
総合: 68.5革新性: 7インパクト: 6厳密性: 7引用可能性: 7
概要
マッチド後ろ向きコホート(DPR 30例、CHR 40例)で、両群とも鼻背中央部のDAL幅が有意に拡大し、審美(SCHNOS-C)・機能(SCHNOS-O)の改善はMCIDを上回りました。DAL拡大量の群間差はなく、鼻軸偏位角も両群で減少しました。AIによるDAL評価は客観的な定量化に有用でした。
主要発見
- 鼻背中央部のDAL幅はDPR(8.835→10.120 mm)とCHR(9.383→10.100 mm)の両群で有意に増加し、群間差は非有意(p=0.089)であった。
- 審美アウトカム(SCHNOS-C)は全サブグループで有意に改善(p<0.001)し、MCIDを上回った。
- 機能アウトカム(SCHNOS-O)は美容・機能併用サブグループで有意に改善(p<0.001)し、MCIDを上回った。
- 鼻軸偏位角はDPR(1.715→1.207, p=0.008)とCHR(1.446→0.751, p=0.004)の両群で有意に減少した。
- AI解析によりDALや軸角変化の客観的定量化が可能であった。
臨床的意義
DPRとCHRはいずれも背側隆起低減に有効で、DAL拡大と患者報告アウトカムの改善は同程度です。AIによるDAL解析は評価の標準化と術式選択の助けになります。
なぜ重要か
DPRとCHRの審美・機能改善がAI指標で同程度であることを示し、術式選択と患者説明に資する客観的エビデンスを提供します。
限界
- 単施設の後ろ向き研究で選択バイアスの可能性がある。
- 症例数は中等度で追跡期間の明記がなく、無作為化比較ではない。
今後の方向性
長期追跡の多施設・前向き無作為化研究でDPRとCHRの安定性・満足度を検証し、AI解析を3D形態計測へ拡張することが望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- III - 客観指標と患者報告アウトカムを用いた術式比較の後ろ向きマッチドコホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER