大手術の非心臓手術における心血管イベント予測のための術前推算糸球体濾過量:2つの大規模国際研究の二次解析
総合: 75.5革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
VISION(35,815例)とPOISE-2(9,219例)において、術前eGFR低下は30日内心血管イベントと強い段階的関連を示し、高齢ではその強度が減弱しました。連続変数としてのeGFR(年齢との交互作用を含む)を加えることで、予測情報量・識別能・ネットベネフィットが改善しました。
主要発見
- 術前eGFR低下は30日内の心イベントと強い段階的関連を示した(VISION・POISE-2双方)。
- この関連は高齢で減弱し、年齢との交互作用が示唆された。
- 連続eGFRの追加により、多変量モデルの予測情報量・識別能(C統計量)・ネットベネフィットが向上した。
臨床的意義
術前評価に連続変数としてのeGFR(年齢との交互作用を考慮)を組み込み、心血管リスク層別化の精度を高め、最適化・モニタリング方針に反映すべきです。
なぜ重要か
術前eGFRを周術期心血管リスクの最重要予測因子の一つとして位置づけ、麻酔科医や外科医が用いるリスク計算機の精度向上に資する結果です。
限界
- 二次解析であり、残余交絡の排除は困難。
- 緊急手術や外来手術への一般化には検証が必要。
今後の方向性
連続eGFR(年齢交互作用含む)を組み込んだ周術期リスク計算機の外部検証と導入効果(意思決定・転帰)評価が求められます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- II - 大規模前向きコホートの二次解析による予後研究。
- 研究デザイン
- OTHER