心臓手術における出血で血小板を受けた患者の補助的製剤としての新鮮凍結血漿対クリオプレシピテート
総合: 73.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
周術期出血で血小板を投与された12,889例の心臓手術患者において、補助的FFPはクリオプレシピテートに比べ、手術死亡・1年死亡、急性腎障害、感染のリスク増加およびICU滞在延長と関連した。補助製剤としてのクリオ選択の有用性を示唆する。
主要発見
- 58施設のデータベースから12,889例の血小板投与心臓手術患者を解析(2005–2021)。
- エントロピー・バランシング後、クリオに比べFFPは手術死亡(RR 1.49)と1年死亡(RR 1.37)が高かった。
- FFPは急性腎障害(RR 1.16)、全感染(RR 1.14)、ICU滞在延長(平均+8.02日)とも関連した。
臨床的意義
心臓手術で周術期出血に血小板が必要な場面では、前向き検証を待ちながらも補助製剤としてクリオプレシピテートの選択を検討し、製剤選択を目標指向止血アルゴリズムに組み込む。
なぜ重要か
大規模多施設データと高度な交絡調整により、従来のプラズマ優先戦略に疑義を呈し、心臓手術の出血管理プロトコルを見直す可能性がある。
限界
- 後ろ向き観察研究であり、先進的な重み付けを行っても適応バイアスや残余交絡の可能性が残る。
- レジストリでは止血検査や製剤投与量などの詳細が限られる可能性がある。
今後の方向性
製剤選択を検証する前向き比較有効性研究または実臨床型RCTの実施と、粘弾性検査に基づくアルゴリズムへの統合が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- III - 高度な統計調整を用いた後ろ向き多施設コホート研究
- 研究デザイン
- OTHER