小児非心臓手術における周術期呼吸器有害事象の予防的薬物介入:系統的レビューとメタアナリシス
総合: 78.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 7
概要
29件のRCT(n=4452)の統合で、予防的リドカインとデクスメデトミジンが小児の周術期呼吸器有害事象を有意に減少させ、喉頭痙攣、咳嗽、酸素飽和度低下の抑制も認められた。高リスク小児への計画的予防戦略を支持する結果である。
主要発見
- 非心臓手術小児4452例を含む29件のランダム化比較試験を統合。
- リドカインはプラセボに比し、全PRAE(OR 0.27, 95% CI 0.17–0.42)と喉頭痙攣(OR 0.38, 95% CI 0.22–0.67)を減少。
- デクスメデトミジンは全PRAE(OR 0.31, 95% CI 0.12–0.76)、喉頭痙攣(OR 0.31, 95% CI 0.10–0.91)、咳嗽(OR 0.24, 95% CI 0.14–0.41)、酸素飽和度低下(OR 0.54, 95% CI 0.35–0.84)を減少。
臨床的意義
高リスク小児では、用量設定とモニタリングを含む多面的な気道安全パスの中で、リドカインまたはデクスメデトミジンの予防投与を検討する。術式や併存症に応じて適応を調整する。
なぜ重要か
PRAEは小児周術期罹患の主要因であり予防可能である。RCTエビデンスの統合はガイドライン改訂と標準化された予防プロトコルの策定に資する。
限界
- 用量・投与時期・投与経路の異質性が高く、プロトコルへの直結には限界がある。
- 抄録が途中で切れており、全介入群や比較効果の全体像の把握が難しい。
今後の方向性
今後のRCTで用量・投与時期の標準化を図り、ネットワーク・メタアナリシスによる間接比較を行い、安全性と長期転帰も評価する。
研究情報
- 研究タイプ
- システマティックレビュー/メタアナリシス
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験のメタアナリシス
- 研究デザイン
- OTHER