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周術期患者におけるコンピュータビジョンを用いた自動侵害受容認識の予備的開発と検証

Anesthesiology2025-01-13PubMed
総合: 77.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 9

概要

周術期の顔面映像からCNNでCPOT基準の疼痛を高精度に分類でき(内部AUC 0.91、外部AUC 0.91および0.80)、一方でNRS分類は性能が低かった(AUC 0.58)。摂動解析では眉、鼻、口唇、前額が重要特徴であった。

主要発見

  • CPOT基準モデルは内部AUC 0.91、外部AUC 0.91/0.80と高性能であったが、NRS分類はAUC 0.58と低性能であった。
  • キャリブレーションによりBrierスコアが改善し、説明可能性解析で重要顔面領域が示された。
  • 開発(n=130)、内部検証(n=77)、外部(n=254)の各データセットで実現可能性が示された。

臨床的意義

一般化され機器統合されれば、顔面映像による自動侵害受容検出は回復室・病棟・ICUでの連続的疼痛監視を可能にし、適時の鎮痛介入や治療不足の軽減に寄与し得る。バイアス・プライバシー・多様性への配慮が不可欠である。

なぜ重要か

標準的な映像のみで連続的な侵害受容評価を可能にするAI手法を提示・外部検証し、周術期疼痛管理における人員・モニタリングの課題を補完する可能性がある。

限界

  • データセット規模が比較的小さく、単一モダリティ(RGB映像)のため一般化に限界がある。
  • NRS分類の性能が低く、集団差・照明条件などのバイアス対策が不十分。

今後の方向性

多様な集団での大規模多施設研究、生体信号と映像の多モダリティ統合、連続ラベリング、公平性・堅牢性の監査、鎮痛介入や転帰への影響を検証する前向き評価が望まれる。

研究情報

研究タイプ
コホート研究
研究領域
診断
エビデンスレベル
III - 前向き観察に基づく開発研究で、内部および外部検証コホートを含む
研究デザイン
OTHER