重症患者の筋状態をモニタリングする統合指標としてのクレアチニン産生率
総合: 80.5革新性: 9インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 9
概要
動物実験と臨床(ICU629例)を通じ、クレアチニン産生率(CPR)は骨格筋の量と質を反映し、全身炎症で低下、筋断面積と相関し、低い入室時CPR指数は1年死亡の独立予測因子であった。CPRの経時変化は一様ではなく、筋萎縮以外の代謝異常にも感受性があることが示唆された。
主要発見
- 動物実験でCPRは筋量・クレアチン含量・代謝状態に依存し、全身炎症で低下した。
- ICU629例で入室時CPR指数は筋断面積と強く相関し、1年死亡の独立予測因子であった。
- CPRの百分率変化は筋断面積変化を弱くしか追従せず、急性期のCPR軌跡は非一様で、筋萎縮以外の多因子的影響が示唆された。
臨床的意義
CPRはICUのワークフローに組み込み、リスク層別化、同化/異化状態の把握、栄養・リハビリ介入の最適化に活用でき、従来のクレアチニン評価を超える有用性がある。
なぜ重要か
重症・周術期医療における重要なモニタリングの空白を埋める、筋生物学と転帰を結びつける実用的で反復可能な指標を機序と臨床の両面で示したため重要である。
限界
- 観察研究であり交絡や施設間差の影響を受けうる
- 腎機能変動や体液バランスの変化が筋生物学と独立にCPRへ影響する可能性
今後の方向性
CPRガイドの栄養・リハビリ介入の前向き試験、測定タイミングの標準化、周術期集団での外部検証が求められる。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 動物実験と観察的ICUコホートを組み合わせた翻訳研究
- 研究デザイン
- OTHER