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神経障害性疼痛モデルにおいて、発芽した交感神経線維はCXCL16とノルエピネフリンを共放出し、相乗的に感覚ニューロンの過興奮を媒介する

British journal of anaesthesia2025-01-24PubMed
総合: 83.0革新性: 9インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8

概要

げっ歯類SNIモデルにおいて、後根神経節の発芽交感神経線維が機械的アロディニア維持に寄与しました。これらの線維はノルエピネフリンとケモカインCXCL16を共放出し、感覚ニューロンの過興奮を相乗的に増強する神経免疫機序が示されました。

主要発見

  • 後根神経節のチロシン水酸化酵素陽性の発芽交感神経線維がSNI後の機械的アロディニアを維持した。
  • 交感神経終末はノルエピネフリンとCXCL16を共放出し、感覚ニューロンの過興奮を相乗的に増強した。
  • 腰部交感神経切除やDRG標的操作により疼痛行動が変化し、交感—体性感覚相互作用の因果的役割が支持された。

臨床的意義

CXCL16シグナルや交感神経活動(ケモカイン阻害、アドレナリン作動性調節、交感神経切除など)を標的とすることが、難治性神経障害性疼痛の新たな治療戦略となり得ます。周術期・慢性疼痛管理への応用が期待されます。

なぜ重要か

交感神経の発芽がCXCL16とノルエピネフリンの共放出により神経障害性疼痛を維持することを示した初の知見の一つであり、従来鎮痛薬を超える新規治療標的を提示します。

限界

  • げっ歯類モデルはヒトの神経障害性疼痛の複雑性を完全には再現しない可能性がある。
  • CXCL16/ノルエピネフリン共放出の用量反応性や時間的動態の定量が今後必要。

今後の方向性

ヒト組織でCXCL16とアドレナリン作動性共シグナルの検証、CXCL16阻害やアドレナリン作動性調節の併用を用いた橋渡し研究、患者層別化のためのバイオマーカー探索が必要です。

研究情報

研究タイプ
基礎/機序研究(げっ歯類モデル)
研究領域
病態生理/治療
エビデンスレベル
V - ヒト臨床アウトカムを伴わない動物モデルでの前臨床機序研究。
研究デザイン
OTHER