体外循環中の脳オキシメトリ指数ガイド血圧管理は急性A型大動脈解離患者の術後せん妄を減少させる
総合: 82.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 7
概要
CPBを用いたATAAD手術157例のRCTで、COxに基づく個別化血圧管理は術後せん妄を半減(15%対30%)し、せん妄の重症度・持続期間、脳梗塞および急性腎障害を減少させた。COx群では抜管時間とICU在室日数も短縮した。
主要発見
- COxガイド管理で術後せん妄発生率が30%から15%へ低下(p=0.039)。
- せん妄重症度・持続期間が低下(DRS-R-98:5 vs 10、持続0日 vs 2日)。
- 術後脳梗塞(1.3% vs 8.6%)と急性腎障害(27.6% vs 43.2%)が減少し、抜管が早く(16.9 vs 18.4時間)、ICU在室も短縮(7.3 vs 8.2日)。
臨床的意義
ATAAD修復術では、CPB中にCOxに基づく個別化平均動脈圧目標を導入することで、術後せん妄や合併症を減らせる可能性がある。近赤外線脳オキシメトリによるCOx算出とプロトコル化された介入が必要。
なぜ重要か
複雑心大血管手術後の神経・腎アウトカムを改善する実践的な脳保護的循環管理戦略を示したため。
限界
- 単施設・症例数が比較的少なく、盲検化が限定的な可能性。
- せん妄評価は術後7日までで、長期認知機能の追跡がない。
今後の方向性
COxガイド血圧目標の多施設検証、長期神経認知アウトカムの評価、各種心臓手術への実装戦略の確立が必要。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- II - 無作為化比較試験による高品質な比較エビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER