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心臓手術後の術後心房細動予防における抗炎症薬の有効性:系統的レビューおよびネットワーク・メタアナリシス

CJC open2025-01-28PubMed
総合: 79.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 8

概要

85試験(n=18,981)の統合解析で、NSAIDsおよびスタチンは心臓手術後の新規POAFを有意に減少させ、死亡率や重篤な有害事象には影響しなかった。魚油+ビタミンC/E、コルヒチン、ステロイド、N-アセチルシステインも有効の可能性があるが、確実性は低い。

主要発見

  • NSAIDsはPOAFを低減:RR 0.37(95% CI 0.23–0.59)、確実性は中等度。
  • スタチンはPOAFを低減:RR 0.56(95% CI 0.45–0.70)、確実性は中等度。
  • 魚油+ビタミンC/E(RR 0.30)、コルヒチン(RR 0.62)、ステロイド(RR 0.70)、N-アセチルシステイン(RR 0.69)もPOAF抑制の可能性(確実性は低い)。死亡率や重篤有害事象への影響は認めず。

臨床的意義

POAFリスクのある心臓手術患者では、出血・腎機能・肝機能リスクを勘案しつつ、周術期プロトコールにNSAIDsやスタチンの併用を検討する。適用は個別化し、循環器科・麻酔科チームと整合させることが望ましい。

なぜ重要か

POAF予防に実装可能な薬剤選択肢を示し、周術期プロトコールへ組み込みやすい。大規模エビデンスとGRADE評価によりガイドライン改訂の信頼性を高める。

限界

  • 一部薬剤(魚油+ビタミン、コルヒチン、ステロイド、NAC)の確実性は低い
  • 投与量・投与時期・対象選択の不均一性があり、死亡率改善は示されていない

今後の方向性

NSAIDsとスタチン戦略の直接比較を含む実践的RCT、安全性(出血・腎障害)の精査、ERAS経路への統合、バイオマーカーに基づくPOAF予防のリスク層別化の検証が望まれる。

研究情報

研究タイプ
システマティックレビュー/メタアナリシス
研究領域
予防
エビデンスレベル
I - ランダム化比較試験の統合解析(ネットワーク・メタアナリシス)とGRADE評価による最上位のエビデンス
研究デザイン
OTHER