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術後せん妄低減を目的としたベンゾジアゼピン非使用心臓麻酔:クラスターランダム化交差試験

JAMA surgery2025-01-29PubMed
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 9

概要

20施設・約2万例の心臓手術で、術中ベンゾジアゼピン制限方針は72時間以内のせん妄を有意に減少させませんでした(調整OR 0.92、P=0.07)。自己申告の術中覚醒の増加も認めませんでした。

主要発見

  • 72時間以内のせん妄:14.0%(制限)vs 14.9%(自由);調整OR 0.92(95%CI 0.84–1.01)、P=0.07
  • 割り当て方針の遵守率が高い:90.9%(制限)vs 93.2%(自由)
  • 自己申告の術中覚醒はゼロ
  • 20施設での実践的、患者・評価者盲検のクラスターランダム化交差試験(n=19,768)

臨床的意義

術中ベンゾジアゼピンの一律制限は集団レベルで術後せん妄を大きく減らすと期待すべきではありません。個別判断は妥当であり、患者レベルでの無作為化試験が求められます。

なぜ重要か

心臓麻酔でのベンゾジアゼピン制限によるせん妄予防を方針レベルで初めて無作為化検証し、臨床上頻出する疑問に指針を与えるため重要です。

限界

  • せん妄評価は日常診療のスクリーニングに依存し、ばらつきの可能性
  • クラスター方針介入により患者レベルの効果が希釈され得る;効果推定は境界的(P=0.07)

今後の方向性

ベンゾジアゼピン回避・最小化を患者レベルで検証するRCT、高リスク群の同定、研究グレードの評価法によるせん妄評価の標準化が必要です。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
予防
エビデンスレベル
I - 介入効果に関する最上位のエビデンスを提供するランダム化比較試験。
研究デザイン
OTHER