小児心臓胸部外科手術における区域鎮痛:ベイズネットワークメタアナリシス
総合: 77.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 8
概要
24件のRCT(n=1602)を統合した結果、13種すべての区域ブロックで術後24時間のオピオイド使用量が減少した。胸椎レトロラミナーブロックが最大の節約効果を示し、初回救済までの時間は胸筋神経ブロックで最も長く、PONVは硬膜外および胸骨後筋膜面ブロックで最も少なかった。間接比較には不均一性の限界がある。
主要発見
- 13手技・24RCT(n=1602)のNMAで、術後24時間のオピオイド使用は全手技で減少。
- 胸椎レトロラミナーブロックがオピオイド使用減少で最良、疼痛スコアの優位性は術直後を除き小さかった。
- 初回救済までの時間は胸筋神経ブロックで最長、PONVは硬膜外と胸骨後筋膜面ブロックで最少。
- 研究間の不均一性により間接比較の解釈に限界がある。
臨床的意義
最大のオピオイド節約には胸椎レトロラミナーブロック、鎮痛持続には胸筋神経ブロック、PONV低減には硬膜外および胸骨後筋膜面ブロックを検討する。術式・術者習熟度・リスクに応じて個別化し、アウトカム評価の標準化を図る。
なぜ重要か
オピオイド最小化と回復最適化が重要な小児集団において、ブロック選択の判断材料となる相対効果を提示する点で臨床的意義が高い。
限界
- 手技・用量・評価指標の不均一性により間接比較の精度が制限。
- 一部手技間の直接比較が乏しく、安全性アウトカムの報告もばらつく。
今後の方向性
用量・鎮静・安全性評価を標準化した十分規模の直接比較RCTを実施し、長期回復指標やERASとの統合効果を検証する。
研究情報
- 研究タイプ
- メタアナリシス
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - ランダム化比較試験をベイズ型ネットワークメタ解析で統合した最高位エビデンス。
- 研究デザイン
- OTHER