全膝関節置換術における術前と術後の内転筋管ブロックの比較:疼痛・ストレス・機能転帰に関する二重盲検ランダム化比較試験
総合: 76.5革新性: 7インパクト: 7厳密性: 9引用可能性: 6
概要
100例の二重盲検RCTで、術前ACBは術後ACBと比べて24時間・総モルヒネ使用量、術中オピオイド・吸入麻酔薬消費、ストレスホルモン、早期疼痛を低減し、術後1日の膝可動域を改善、3か月の慢性痛も低率であった。退院時期、歩行距離、合併症は同等であった。
主要発見
- 術前ACBは24時間および総モルヒネ使用量を術後ACBより低減した。
- 術中オピオイド・吸入麻酔薬消費を低減し、術中高血圧発生も少なかった。
- 術後1日目のコルチゾール/ACTH低下、術後12時間以内の疼痛軽減、術後1日の膝可動域改善、3か月の慢性痛減少を示した。
臨床的意義
TKAの多角的鎮痛プロトコルでは術前ACBを優先することで、周術期のオピオイド曝露とストレスを低減し、早期機能を改善し、3か月時点の術後慢性疼痛の抑制が期待できる。
なぜ重要か
本レベルI試験はブロックの至適時期に関する実臨床を変え得る根拠を示し、術前ACBが術後より優れた鎮痛・ストレス低減・慢性痛抑制をもたらすことを示した。
限界
- 単施設かつ全例アジア系(中国人)であり、一般化可能性が限定的。
- 症例数が100例で、3か月以降の長期追跡が限られる。
今後の方向性
多様な集団を対象とした多施設試験により、慢性痛抑制の再現性と機能的転帰・費用対効果の検証、長期追跡の強化が望まれる。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 二重盲検の高品質ランダム化比較試験。
- 研究デザイン
- OTHER