外科的抗菌薬予防における肥満患者の用量調整の必要性:セファゾリン薬物動態のモデル解析
総合: 78.5革新性: 8インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 7
概要
組織マイクロダイアリシスと母集団PK/PDモデリングにより、セファゾリン2 g・4時間毎の再投与は、肥満・非肥満いずれの手術患者でも想定SSI起因菌に対する薬力学目標を達成することが示されました。1 g投与より優れ、3時間再投与と比較しても2 g・4時間再投与が最適と結論づけられました。
主要発見
- 組織マイクロダイアリシスとPK/PDモデリングで、1 gと2 g、3時間または4時間再投与を比較。
- 2 g・4時間再投与は、肥満・非肥満の双方で、血漿および組織間質において一般的SSI起因菌に対しPTA/CFR>90%を達成。
- 2 g・4時間のレジメンは、各コンパートメントで1 g戦略を上回り、BMI横断的な用量統一を支持。
臨床的意義
術後感染予防として、手術時間が長い症例を含め、BMIに関わらずセファゾリン2 g・4時間毎再投与を標準化することで、組織間質での十分な曝露を確保できます。
なぜ重要か
組織レベル薬物動態に基づく実践的な用量指針を示し、肥満患者における不一致な推奨の統一に資する点で重要です。
限界
- 非肥満群の厳密なサンプルサイズが抄録では明示されていない
- モデルベースの結論であり、多様な術式・起因菌での外的妥当性検証が必要
今後の方向性
BMIや術式横断で2 g・4時間再投与と他レジメンのSSIアウトカムを比較する実臨床試験、地域別アンチバイオグラムやMIC分布との統合評価が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- 組織マイクロダイアリシス併用の薬物動態モデリング研究
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- III - ヒト組織マイクロダイアリシスとモデリングを用いた非ランダム化の橋渡しPK/PD研究
- 研究デザイン
- OTHER