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脂質異常症患者におけるパレコキシブの術後せん妄への効果:ランダム化二重盲検単施設優越性試験

International journal of surgery (London, England)2025-02-04PubMed
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 7厳密性: 8引用可能性: 7

概要

脂質異常症成人452例において、導入前パレコキシブ40 mg静注は術後せん妄を13.7%に低減し(HR 0.491; P<0.001)、覚醒時せん妄、COX-2発現、白血球数、術後1日目の疼痛も低下しました。有害事象の差は認めませんでした。

主要発見

  • パレコキシブは術後せん妄発生を絶対12.39%低減(13.72%対26.11%; HR 0.491; P<0.001)。
  • 覚醒時せん妄、COX-2発現、白血球・好中球数、術後1日目疼痛が低値。
  • 有害事象は同等で、媒介分析は炎症抑制と疼痛管理がせん妄低減に寄与することを示唆。

臨床的意義

脂質異常症成人では、オピオイド節約的多面的鎮痛とせん妄予防の一環として、導入前パレコキシブ投与を検討できます(COX-2阻害薬の禁忌には留意)。

なぜ重要か

代謝的高リスク群における導入期COX-2阻害のせん妄抑制効果をランダム化で示し、神経炎症制御と鎮痛が術後神経認知アウトカムに寄与することを裏付けます。

限界

  • 単施設試験であり、他集団・他術式への一般化に限界。
  • せん妄監視期間が短く(術後3日)、長期認知アウトカム未評価。

今後の方向性

多様な術式を含む多施設試験で有効性・安全性の再現性、至適用量・投与タイミング、長期の認知・機能アウトカム評価が必要です。

研究情報

研究タイプ
ランダム化比較試験
研究領域
予防
エビデンスレベル
I - 二重盲検ランダム化プラセボ対照の優越性試験。
研究デザイン
OTHER