術中の潜在性低酸素血症と30日・1年死亡率の関連
総合: 73.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
術中動脈血ガスを有する25,234例で、1.4%に潜在性低酸素血症が発生しました(SpO2>92%かつSaO2<88%)。これらの症例は30日死亡(OR 2.89)および1年死亡(HR 1.90)の上昇と独立して関連し、人種・民族との交互作用は認めませんでした。
主要発見
- 潜在性低酸素血症(SpO2>92%でSaO2<88%)は25,234例中1.4%で発生。
- 30日死亡率の上昇と関連(OR 2.89[95%CI 1.46–5.72]; P=.002)。
- 1年死亡率の上昇と関連(HR 1.90[95%CI 1.48–2.43]; P<.001)。
- 自己申告の人種・民族による有意な交互作用は認めず。
臨床的意義
不一致時の動脈血ガス確認、波形やプレチスムグラムの活用、代替センサーの検討など、潜在性低酸素血症の検出戦略を導入し、高リスク状況でSpO2を慎重に解釈する必要があります。酸素モニタリングに関する品質改善も求められます。
なぜ重要か
大規模コホートでモニタリングの見逃し(潜在性低酸素血症)が死亡率上昇と関連することを示し、パルスオキシメトリの限界と酸素化評価の改善ニーズを明確にしました。
限界
- 単施設の後ろ向き研究であり、残余交絡の可能性。
- 術中ABG実施例に限定され、一般化可能性が制限される。
今後の方向性
前向き多施設研究での予後閾値の検証やデバイス・校正戦略の評価、潜在性低酸素血症を減らすモニタリングアルゴリズムの介入試験が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 予後
- エビデンスレベル
- III - 曝露と死亡アウトカムを関連付ける後ろ向きコホート研究。
- 研究デザイン
- OTHER