選択的手術を受ける因子Xa阻害薬内服患者における凝固活性評価のための誘電血液凝固測定:前向き観察研究
総合: 76.0革新性: 8インパクト: 8厳密性: 7引用可能性: 8
概要
周術期コホートにおいて、DBCM凝固時間はアピキサバンおよびリバーロキサバン濃度と強く相関し、トロンビン産生ピークとは逆相関しました。<30 ng/mLの同定でAUC 0.98–0.99を達成し、麻酔・手術前のDOAC残存効果評価のポイントオブケアツールとして有望です。
主要発見
- DBCM凝固時間はアピキサバン(Rs=0.87、n=57)およびリバーロキサバン(Rs=0.91、n=49)血中濃度と強く相関。
- DBCM凝固時間はトロンビン産生ピークと逆相関(アピキサバンRs=-0.80、リバーロキサバンRs=-0.84)。
- <30 ng/mLの識別AUCはアピキサバン0.98、リバーロキサバン0.99と極めて高精度。
臨床的意義
DBCMによりDOAC残存効果のベッドサイド評価が可能となり、手術スケジューリングの円滑化、不必要な延期・ブリッジングの削減、神経軸麻酔の安全性向上が期待されます。多施設検証とアウトカム研究が必要です。
なぜ重要か
周術期の意思決定(手術時期、神経軸麻酔、拮抗薬使用)に直結するDOAC活性の迅速評価法を高精度で示し、臨床現場のニーズに応えます。
限界
- 単一環境・中等規模のサンプルで、対象はアピキサバンとリバーロキサバンに限られ、他DOAC(例:エドキサバン)への外挿は不明。
- DBCMに基づく管理が出血・血栓イベントに与える影響など臨床アウトカムは評価されていない。
今後の方向性
他DOACを含む多施設検証、DBCMを組み込んだ周術期意思決定アルゴリズムの確立、DBCM介入の臨床アウトカム効果を検証するランダム化試験が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- コホート研究
- 研究領域
- 診断
- エビデンスレベル
- III - 参照標準を併用した前向き観察型の診断研究。
- 研究デザイン
- OTHER