帝王切開における術中エスケタミン投与と産後うつ病:ランダム化臨床試験
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
308例の帝王切開を対象とした単施設RCTで、術中エスケタミン0.25 mg/kgの単回投与により、6週時点の産後うつ病が対照に比べ約半減した。評価はエジンバラ産後うつ病評価票を用い、ITT解析で検証された。
主要発見
- 6週時点の産後うつ病はエスケタミン群10.4%、対照群19.5%(RR 0.53、95%CI 0.30–0.93、P=.02)と有意に低下。
- 介入は術中エスケタミン0.25 mg/kgを20分で投与、対照は生理食塩水。
- 1:1無作為化、帝王切開患者を対象、単一三次医療機関でITT解析を実施。
臨床的意義
帝王切開時のPPD予防として術中エスケタミン投与を検討し得るが、安全性・用量・患者選択に留意が必要である。多施設大規模試験での再現性検証および新生児・授乳への影響評価が求められる。
なぜ重要か
麻酔中の介入が有意なメンタルヘルス転帰に結びつくことを示し、周産期ケアのあり方を見直し得る実践的RCTである。
限界
- 中国の単施設研究であり、医療体制の異なる地域への一般化に限界。
- 追跡期間が6週と短く、安全性や新生児転帰の情報が限定的。
今後の方向性
用量・投与タイミングを比較する多施設実践的RCT、母子関係・授乳・新生児神経行動・費用対効果の評価。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 無作為化臨床試験(ITT解析)。
- 研究デザイン
- OTHER