チカグレロル投与中の急性冠症候群患者における早期対遅延バイパス手術:RAPID CABG 無作為化オープンラベル非劣性試験
総合: 81.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 9引用可能性: 8
概要
チカグレロル使用歴のあるACS患者のCABGでは、中止後2–3日での早期手術は5–7日待機と比較して重度出血やドレナージ量で非劣性であり、在院日数を短縮しました。
主要発見
- プロトコル遵守集団の重度/大量UDPB出血:早期4.6%対遅延5.2%;非劣性達成(P=0.03)。
- 12時間ドレナージ量は非劣性:中央値 470 mL(早期)対 495 mL(遅延)。
- 在院日数は早期戦略で短縮:中央値 9日対12日(P<0.001)。
臨床的意義
チカグレロル投与中のACS患者でCABGが必要な場合、5–7日の待機ではなく2–3日で手術計画が可能であり、出血安全性を保ちながらICU/在院日数短縮が見込めます。
なぜ重要か
CABG前の抗血小板薬中止タイミングという臨床的ジレンマに対し、出血リスクを増やさず手術を早められることを無作為化エビデンスで示しました。
限界
- オープンラベルであり実施バイアスの可能性。
- サンプルサイズが中等度(n=143)で稀な出血事象の精度に限界。
今後の方向性
大規模多施設プラグマティック試験での再現性検証と、迅速血小板機能検査を組み込んだプロトコルの費用対効果評価が望まれます。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 治療
- エビデンスレベル
- I - 出血転帰に対する非劣性を示した無作為化比較試験。
- 研究デザイン
- OTHER