鎮静下消化管内視鏡中の低酸素血症予防における鼻クリップ併用の有効性:ランダム化比較試験
総合: 74.0革新性: 7インパクト: 8厳密性: 8引用可能性: 6
概要
鎮静下内視鏡600例において、鼻カニューラに鼻クリップを併用すると低酸素血症が有意に減少(17.7%対25%、RR 0.707)。最低SpO2も改善し、有害事象は許容可能で、簡便・低コストな酸素化改善策として支持される。
主要発見
- 鼻クリップ併用で低酸素血症は25.0%から17.7%へ低下(RR 0.707、95%CI 0.516–0.967、P=0.029)。
- 処置中の最低SpO2は鼻クリップ群で改善(中央値・IQRの改善が示された)。
- 有害事象は許容範囲で、カニューラ単独と比較して合併症の過剰増加は認めなかった。
臨床的意義
鎮静下内視鏡では、低酸素血症リスクの高い症例を中心に鼻クリップ併用を検討し、SpO2低下イベントと最低値の改善を図るべきである。
なぜ重要か
高頻度の鎮静下内視鏡において、安全性を高める低コストの工夫に対する大規模ランダム化エビデンスであり、実装性が高い。
限界
- 単一国での実施で、鎮静方法や酸素流量設定により一般化可能性に制限
- 盲検化が困難で、付帯ケアに影響した可能性
今後の方向性
異なる鎮静プロトコルや高リスク群(睡眠時無呼吸、肥満)での効果検証、ならびに費用対効果評価により広範な導入の根拠を強化。
研究情報
- 研究タイプ
- ランダム化比較試験
- 研究領域
- 予防
- エビデンスレベル
- I - 鎮静下内視鏡600例を対象とするランダム化比較試験
- 研究デザイン
- OTHER